介護当事者激白 孫介護はかわいそうという誤解や偏見はやめて 

ケアラー関連

家族の介護を担う若者が増えていて、最近、18歳未満が家族をケアする「ヤングケアラー」がクローズアップされていますね。

「ヤングケアラー」はじめ、18歳以上~30代の「若者ケアラー」、40代の「就職氷河期ケアラー」の中に若年や中年で親ではなく孫が祖父母を介護するケースはほとんど認知されていません。若中年の孫が祖父母を介護するとなると、「気の毒だな」、「親は一体何をしているのか」、「将来台無しになる」とネガティブな目でみられがちです。

そこで、10月17日孫の日をきっかけに皆様に今すぐ支援、逆に孫介護に生きがいをもっている人と多様なマインドをもつのを知ってもらいたいと思います。

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「10月17日は孫の日」

孫の日があるのはご存じでしょうか?

「おじいちゃん、おばあちゃんと交流を深める日にしてほしい」と日本百貨店協会が提唱し、1999年に敬老の日の1ヶ月後、10月第三日曜日にスタートしました。

最近では、おばあちゃん・おじいちゃんとお孫さんがおもちゃを使って親睦を深めるイベントが開催されています。、昨年、銀座松屋では「孫の日フェア」を開催。北海道の工場と松屋銀座の会場をオンラインで結んで、職人から木育ワークショップ マルチスツールづくり 」をする機会を作るなどのイベントを催しました。

その銀座松屋で今年は、おじいちゃん・おばあちゃんの似顔絵を募集し、展示した孫の絵にはプレゼントが送られます。

その他、愛媛県立とべ動物園では、小学生以下のお孫さんと祖父母の方の入園料がペアで無料になったり、トイザらスでは50才以上のポイントカード会員限定で毎月15日10%OFFで買い物できる『まご割』があります。

「孫介護者は、全国で約5万人存在か」

2017年の 就業構造基本調査によれば、15~39歳の家族介護者は54万人で5年前から約3万5000人増加。また、厚生労働省の平成28年国民生活基礎調査の概況では、主な介護者の続柄に「別居の家族等」が12.2%「その他の親族」が1.8%、「不詳」が13.0%。仮に3分の1が「孫介護者」とすれば、約5万人。厚生労働省は、「孫介護」自体の実態調査を行っていませんので、氷山の一角と思われます。

かくいう、私は、30歳過ぎから「経済的な事情」、「兄弟間の祖母への想いの違い」、「母親がガンや精神疾患で入退院」を繰り返し、ほぼ1人で認知症の祖母を6年間在宅介護した「孫ミドルケアラー」です。(参照 近著『おばあちゃんは、ぼくが介護します。』)

「孫介護」が起きる背景には、「親子が祖母・祖父介護に向けて気持ちが一つにならない」、「施設に預けられない事情がある」、「母子・父子家庭とケアラーと祖母・祖父の3人世帯で親が病でケアラーがみている」、「同世代や地域住民などに仲間がおらず、SOSを発しにくい」などといった複雑な原因があります。早急な実態調査が待たれます。

「ヤングケアラーは孫介護が多い」

ヤングケアラーの家族における存在割合は、「祖父母とひとり親(母)と子」が14.3%、「ひとり親(父)と子」が12.8%、「祖父母とふたり親と子」が10.8%、「祖父母と子」が10.7%。祖父母と同居する世帯に多いという調査データがあります。

『子ども介護者』濱島淑恵より引用

祖父母と一緒に住んでいて、親が病気や障がいで主介護者となり学校に通いながらケアする人、母親が仕事でいない間だけ世話をする人までケアレベルはさまざまです。特にひとり親の場合は、祖父母のケア、家事、仕事に追われる親をみて孫ケアラーが自然とサポートするケースが多いことが考えられます。私が知る例では、母子家庭で祖母と母と3人暮らし。祖母が認知症で小学4年から母親とケアを手伝っている人がいます。そして、中学3年の時、母親が脳出血でほぼ寝たきりになりダブル介護が必要になりました。学校は休みがちで、高校にも行けず、ひたすらケアをする毎日。17歳の頃、祖母が死去し母親1人のケアになるものの、生活保護を受給するのにためらいがあり、母親を施設に預け就職。翌年、母親が死亡し介護生活にピリオド。

小学4年生から介護がはじまり、中学3年生で多重介護、皆さんは想像がつきますか?

こうした孫ヤングケアラーが日本に一定数存在します。

「孫ケアラー生活が幸せな人だっている」

若いうちから祖父母を介護すると、世間一般の反応は「かわいそう」、「親は一体何してたんだ」、「祖父母は施設に入れよ、孫の人生狂わせるな」と哀れみの目で見られるケースが多い気がします。

でも、そうじゃない人もいるんですよ。

私の場合、祖母には昔から浪費癖があり年金が出るとすぐ洋服屋に行き10万以上する高価な服を購入したり、税金を滞納し借金200万円以上あり施設に入れる経済的余裕がありませんでした。

さらに、母親や弟・妹の祖母への想いが違ったんです。母親は、ガンや精神疾患で病気がちで入退院を繰り返し、祖母とも馬が合いません。弟・妹は祖母に対し「お兄ちゃんばかりかわいがって」という気持ちが強かったです。

左から祖母・母親・私

祖母は、時々私に「お父さんがいる家庭に負けたくないし不憫な思いをさせたくない」と言ってくれました。私は、祖母に大学まで進学させてくれたり、北海道旅行へ行ったり、洋服・おもちゃ・高価品を買ってくれたりと何不自由ない生活を送らせてもらいました。

とはいえ、私が小学生の頃、母親が離婚して祖母が分譲マンションを購入しNTTで70歳過ぎまで働き一生懸命育ててくれました。

私は、「仕事を続ける・結婚・マイホームや車購入は難しくなるかもしれない」と不安いっぱいでしたが、「祖母と一日でも一緒にいたい」気持ちが勝ったんです。

私、弟と弟の嫁、妹と妹の旦那、母親が集まり、一度祖母の在宅介護について話し合いをしたことがあります。

私は「仕事したい」「結婚したい」「子どもが欲しい」など30代男性なら多くの人が持つ夢や希望がありますので、「みんなで協力して在宅介護してくれへんか」と相談をもちかけました。ところが…

著書「おばあちゃんは、ぼくが介護します」より引用

周囲の友達や仲間からは、「お前、おばあちゃんの面倒なんてみれるわけないだろ、仕事どうするんや」とずいぶん言われましたよ。

でもね、私は、幸せの価値観って人それぞれだと思うんですよ。「仕事で出世して金持ちになり、家族を守りたい」人もいれば、「ばあちゃんが一緒に過ごしたいというなら人一倍楽しい日々を送りたい」人だっているんです。

そりゃ、祖母とのケア生活は生半可なものじゃなかったです。

祖母は、ボケが少し進んで財産管理ができなくなっても「あんた、いつ給料入るんかいな?通帳返してちょうだい。警察に言うで」と私にほぼ一日中言って、本当に警察が来てマンション中騒動に・・・。

夜中から早朝は、「あんた、なんか食べものないんかいな?菓子パン食べたいんやで、一個でええからな」とついさっき食べたことを忘れちゃってほぼ寝る暇がない日々が続きました。

それでも、祖母は、とにかくポジティブで負けず嫌いで、「車椅子は使いませんよ、自分の足で歩きます、シンゴくん喫茶店にお茶を飲みに行くわよ」と懸命に片杖をつきながら歩きました。

あるいは、祖母のボケが進んでしまい自分で化粧をするのが難しくなり口紅を逆さまに持ちながら「シンゴくん、はい、口紅塗り終わりましたよ、さあ、今日は何しようか」と言ったり・・・。

私は、普段のケア生活に限界を感じつつも祖母の「ばあちゃん、もう少し家でみるにはどうしたらいいか」を模索していた日々でした。

介護のハプニングは、辛く悲しい出来事だけではありません。祖母がお泊りデイサービスの職員さんに恋をしたとわかった言動にホッコリしたり…

介護に悩み苦しむ方やその予備軍の方に、少しでも参考になれば嬉しく思います。

おばあちゃんは、ぼくが介護しますより引用

おそらく、若い間から孫介護をする人たちは、尋常じゃないおばあちゃん・おじいちゃん子が多いのではないでしょうか。

祖母のお酒の昔話が認知症で少しずつ話がズレてる 笑
祖母の昔話が少しずつずれている様子
「孫介護啓発活動イベントのお知らせ」

今回、ヤングケアラー・若者ケアラー・就職氷河期ケアラーの孫ケアラーのみを対象に10月17日(日)15時から1時間30分程ZOOMで「孫介護者限定交流会」を無料開催します。

開催詳細 https://yoshite-yosete.toratachan.site/magokaigo/

社会的認知度の向上や公的・民間機関の支援につながればと思い、啓発活動を実施する運びとなりました。

「孫介護手当を支給してほしい」、「孫介護専門の相談場所がほしい」、「行政がきょうだいに介護してもらうよう説得してほしい」、「孫介護専用のレスパイトサービスがほしい」など何でも構いませんので私に伝えてください。

後日、国・政治家・メディアの方々にお伝えします。

申込フォーム https://yoshite-yosete.toratachan.site/contact/

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