現金給付にヤングケアラー支援、18歳以下縛りの弊害

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政府・与党は、新型コロナウイルス対策の経済対策として18歳以下の所得世帯960万円未満に年内を目途に現金5万円を先行給付し、来春までに5万円のクーポン券を支給。

この他、生活困窮対策で住民税非課税世帯に現金10万円を支給することで合意した。

公明党が衆議選で公約に掲げ実現した「未来応援給付」は、所得制限を設けたとはいえなぜ18歳未満に絞るのか疑問だ。さらに所得制限は、児童手当の対象と同じで管理がしやすくスピード感をもった支給が可能と判断したのだろうが国民全体の81.4%に相当し範囲が広すぎる。

また、「住民税非課税世帯」のみの給付は、生活保護受給者、前年の合計所得が135万以下とあまりにも支援対象が狭い。

18歳未満で縛るといえば最近、クローズアップされている「ヤングケアラー」だ。「ヤングケアラー」は、障がいや病気のある家族やきょうだいの世話をする18歳未満の子どもと日本ケアラー連盟が定義づけ、国や自治体が支援をはじめている。

しかし、18歳未満に支援を縛ってしまうと、多くの介護者が支援対象外になってしまうのだ。「現金給付」と「ヤングケアラー」政策は、いずれも必要な人に必要な支援が行き届いてるとは到底言い難い。

参照 https://gendai.ismedia.jp/list/author/shingookumura

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「未来応援給付は愚策、生活困窮世帯から中間層世帯に20万円給付が妥当」

「未来応援給付」の18歳以下の世帯年収960万未満は高すぎる。子ども世帯の平均世帯年収である667万円前後で十分だ。ちなみに、子育て世帯の平均年収は「648万円」であり、「年収550万以下」は全体の43.4%にあたる。(平成29年国民生活基礎調査(厚生労働省)

また、コロナによる生活困窮者、低所得者の正規・非正規労働者にも対象を広げるべきだっただろう。

例えば、https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=67856?pno=2&site=nli (ニッセイ基礎研究所の新型コロナによる暮らしの変化によれば、コロナ禍の影響で一番年収が減少したのは、世帯年収200万未満で23.5%、続いて世帯年収200~400万未満で17.4%と低所得から中間層ほど減少している。

低所得から中間世帯を重点的に20万円程度支給すれば、多くの国民は納得しただろう。とはいえ、所得調査をしていると、現金支給までに自治体が煩雑な作業に追われ多くの時間を要し支援が遅れると本末転倒だ。したがって、国や自治体は、公平な支援のため、一日も早くマイナンバーカードに所得を紐づけ把握する必要がある。それまでは、日本維新の会や国民民主党が提案する「高所得者に課税時に逆還付する」方法がプッシュ型の支援策が適していた。

「現状のヤングケアラー政策では元ヤングケアラーなど多くの介護者が支援対象外」

一方、「ヤングケアラー」の定義や支援は、18歳で縛るより概ね30代程度まで対象範囲を広げてほしい。

なぜなら、18歳以上から30代の「若者ケアラー」、「元ヤングケアラー」、「就職氷河期世代ケアラー」と判明分だけで少なくとも108万人が支援対象外となるからだ。(総務省の平成29年就業基本構造調査)。「ヤングケアラー」が推計10万人と言われているので、実に10.8倍に昇る。

元ヤングケアラーを取材したので実例を紹介する。

母子家庭で母親が精神疾患を抱え、小学5年生から学校に通いながら祖母の世話をするようになった琴美さん(仮名)。

琴美さんは、学校に通いながら認知症の祖母のご飯の用意、トイレの見守り、オムツを替えるといった主体的なケアをした。中学生から教師を志していたが、思うように学校へ行けず、勉強ができず、友達とも疎遠になるばかり・・・。

中学3年生の頃、祖母が病状の悪化で施設入所したものの、今度は母親の体調が悪化。母親は、当時53歳と若く介護保険の対象外でデイサービスすら通えなかった。琴美さんは、高校進学をあきらめ、自宅近所の小さな会社に短時間のアルバイト。母親が少しでも目を離すと会社に電話がかかってきた。

「あんた、何時に帰ってくるの?誰かに襲われそうで怖いの。早く帰ってきてね」

再び精神症状がひどくなり精神科病院へ入院中だ。学生時代から介護生活の連続で高校進学をあきらめた。気がつけば23歳になり、学歴や職歴も乏しく、アルバイト生活が続いている。

「幼い頃からなんとなくおばあちゃんの世話がはじまりました。おばあちゃんのご飯を作ったり、杖をつきながら歩いてこけるのが心配で・・・。ママは、寝こんでいることが多かったです。もちろん、おばあちゃんやママが好きで手伝ったのだけど、家庭の事情でもあるので、就職や経済的な支援があるといいですね」(琴美さん)。

幼い頃から家族の介護で学業・進学・就職に大きな影響が出たのが原因で経済的に困窮するケアラーを放置することがあってはならない。

「契約社員→倒産→正社員→介護離職→無職→在宅・施設介護、就職氷河期介護者の苦悩」

また、筆者も30歳過ぎからガンや精神疾患の母親と認知症の祖母をトータル9年間、シングルで在宅介護と施設介護を経験。

筆者は、就職氷河期世代の一人で、大学卒業後就職したITのベンチャー企業がリーマンショックで業績不振になり倒産した。その後、再就職に四苦八苦し、連日ハローワークへ行き、インターネットで求人探しをし、知人を訪ねる日々・・・。履歴書や職務経歴書を100社以上提出し、面接にこぎつけたのは10社弱で正社員に内定した。

それから4年。今度は、我が家に悲劇が訪れる。

「この子(弟の子ども)にご飯をあげなさい、水をあげないと死んでしまうでしょ。よしよしかわいそうに。」

祖母の様子がおかしい、弟の子どもの写真をみて真顔で言うのだ。

筆者は、祖母をみて認知症かもしれないと思い、早急に脳神経外科に行くと、案の定「アルツハイマー型認知症」だった。しかも、祖母の発症と同時期に母親が脳梗塞で倒れ、突然2人の介護が必要になった。筆者には、弟と妹がいたが結婚し子どもがいたので、協力者介護にはならなかった。

さらに、「昔から母親と祖母が不仲」、「弟と妹は結婚、子どもがいて筆者だけが独身」、「祖母が税金など200万程滞納し施設に預ける資金がない」といった家庭内の事情が重なった。それでも、筆者はおばあちゃんっ子で一日でも長く家で一緒に過ごしたい思いが強かったのも事実だ。祖母も「筆者と一緒にいたい、施設に行くのは絶対嫌」とよく口にし、相思相愛。

祖母と私

しかしながら、介護未経験者のシングル介護は簡単ではなかった。

特に大変だったのは、要介護度が低い時の在宅介護。要介護が低いと1ヶ月の介護サービス利用上限額が少なく、週4~5回ほぼ1日中家で祖母と過ごしていた。

「私のお金・通帳・印鑑を返せ、返さないと警察呼ぶでこの泥棒息子」

祖母は筆者を罵倒し、実際に警察を呼んだ。祖母は、自分がボケている認識がなく、筆者が貴重品を盗んだと思いこんでいた。こうしたことが頻繁に続いた。筆者は、事情聴取をうけ警察からは施設入所を進められ、自宅に帰ると祖母が同じ状況で暴れ何度も精神的に追いこまれた。

著書「おばあちゃんは、ぼくが介護にします。」に詳述記載。https://www.amazon.co.jp/dp/4865138218/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_22B3FX7H3NQ2QR6S9BE0

おばあちゃんは、ぼくが介護します。紀伊国屋書店など全国の書店やアマゾンなどネットで発売中

その後、母親は精神疾患が悪化、祖母は認知症が進行し今夏、病院に入院中である。

このように、「ヤングケアラー」のみでなく、「若者ケアラー」や「就職氷河期ケアラー」にも手厚い支援を求めている人は数多く存在し、「介護応援手当」で20万程度支給するアイデアぐらい思い浮かばないのか不思議でならない。

先日、日本ハムの監督に就任した新庄剛志氏が「皆さん、監督って呼ばないでBIGBOSSでお願いします、新庄監督とかいらないですからね、監督ぽくなくていいでしょ」と発言し、話題になった。

新庄氏のような柔軟かつ改革意識が強いマインドBIGBOSSが今こそ国・自治体・政治家・専門家に求められる。

今後、若者~就職氷河期政策提案コミュニティー「よしてよせての会」でも今必要な支援を話し合い、国や政治家に意見書の提出などを予定している。

よしてよせての会
ヤングケアラー・若者ケアラー・就職氷河期ケアラーの政策実現・就業支援コミュニティー
現金給付にヤングケアラー、18歳以下縛り支援の弊害

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