こんばんは、ほんやまで~新聞編集長奥村シンゴです。いつもほんまやで~新聞を読んでいただき誠にありがとうございます。
いきなりですが、今日から「祖母と私の在宅介護2190日」の連載を開始します。
今年12月に、医療・介護専門老舗出版社様からデビュー本が発売予定ですので、ぜひ買って下さい。
初めて読んでいただいた方のために繰り返しますが、私は30歳過ぎから認知症祖母の在宅介護を経験しました。
一昨年一月、祖母は認知症の進行で精神科病院に入院し、明後日に別の療養病院へ転院予定で、私は対応をしたり面会へ行ったりしています。
今日は、認知症が進行すると季節や食べ物を間違ったりと会話が少しずつ支離滅裂になった時、介護者はどう対応すればいいか悩みますよね。
そこで、どのようにするのがベストか、私なりにアドバイスさせていただきます。
認知症のご家族を在宅介護される方や医療・介護従事者の皆様の参考になれば幸いです。
「秋にスイカが食べられると言った祖母への私の接し方」
まず、なぜ認知症の祖母に柿をむかせているの?と疑問に思った方もいるでしょう。
これは、私の考えなのですが構いすぎない在宅介護を実践していました。
祖母が着衣着脱がわからくても、「どうやって着るんやった?」と聞いたり、トイレの便器と逆を向いて尿や便をしようとしても最後まで様子見したり。
最後まで考えて行動してもらうことで、祖母も意外と「よし、絶対思い出してやる」となるんですよね、負けず嫌いな性格もありましたが。
この日、祖母は、包丁で柿をむきながら私に「これからスイカが出てくるな、スイカは夏やけどな、おいしいで」と言いました。
祖母は、四季がわからなくなってきていましたが、スイカが夏に食べるものというのは、まだ認識できていた時期。
私は、随分と認知症が進んでしまったなと感じた一幕でした。
というのも、ただ単に柿の名前が思い出せなかったり、スイカが食べられる季節を間違えただけではありません。
秋といえば、その前の季節が夏。
つまり、すぐ前の季節に食べたスイカを忘れてしまっていたからなのです。
「祖母のプライドを大切に」
さらに、祖母は柿をむきながら「これ(柿)が時期が来たらな、おいしいのが出てくるヨイショ、ヨイショ」。
その後、手で柿を2つに割ります。
私は、祖母がここで柿という名前が出てこないことに気がついていましたが、あえて言いません。
私は、祖母に「その名前なんやった」と聞いてもよかったのですが、祖母のプライドを大切にしたくてね・・・。
祖母は、この時すでに物忘れが進んでいた時期でしたので、いつもの事かと気にならかったのもあると思いますが。
それでも、祖母が自身で包丁で柿をむいて、2つに割って綺麗に切っている姿をみると、生き様を見せてくれている気もするんですよ。
祖母がまだしっかりしている頃、私に「シンゴくん、人生いろいろあるけどね、くじけちゃだめだよ。一生懸命に仕事しているとね、周囲から評価されるようになるから。必ずみてくれている人がいるから」とアドバイスしてくれました。
私の家庭は、少々複雑で、母親が小学生の頃離婚し母子家庭になりました。
母親から聞いた話ですが、私には、弟と妹がいて三人兄弟、さあ誰が面倒をみると家族中で話しあったそうです。
その結果、施設に預けるのを検討されたそうですが、祖母が私・弟・妹・娘(母)の4人を連れて分譲マンションを購入。
祖母は、母親の家族一同に「この子たちに不憫な思いはさせたくないの。私が大きくなるまで面倒をみる」と言ってくれました。
なので、祖母のアドバイスには、説得力があるんですよね。
このように、認知症が進んでくると、食べ物の名前や季節や自分の名前など段々わからないことが増えてきます。
ですので、本人がわからない時は、「無理に答えようとせず、本人が答えるまで待ってあげるのが望ましい対応」だと思います。
そうすると、「本人の意思を最大限尊重することになりますし、
まだこれぐらいは可愛い者ですよ、物忘れがひどくなってくると、イライラすることの方が増えますからね。(苦笑)
詳しくは動画をご覧ください。
続く。