ライター奥村シンゴの介護、メディア、社会を語る

祖母介護7年目、元放送局通信メディアコールセンター出身の奥村が介護、メディア、社会問題中心に独自取材、考察。

その他(取材等) 介護

認知症祖母が夕食だけ食事拒否、食事間隔と日光浴が関係?介護関係者を取材

投稿日:2019年10月29日 更新日:

先日、筆者は祖母が入院する精神科病院の急性期病棟に面会へ行きました。

祖母は認知症が進行し食べ方や飲み方が全くわからないので、筆者が食事介助をしていました。

つい30分程前まで機嫌がよかった祖母が突然豹変し大声で怒り出しました。祖母が筆者に食事を拒否するのは決まって夕食時なのです。

そこで、他の介護施設や病院に勤務中の介護士や介護経営者などに祖母のような夕食だけを拒否する認知症患者の原因や対策を聞きました。

すると、介護施設や病院特有の食事時間間隔や日光浴との関係性があるのでは?と興味深い話が聞けましたのでご紹介します。

介護者や介護職員の方々の参考になれば幸いです。

「苦く飲みにくい漢方薬を機嫌よく服用する祖母」

祖母が入院中の精神科病院では、ナースステーションのインターホンを鳴らし、「奥村です」と挨拶するとデイルームにいる祖母を看護師さんや介護士さんが面会室へ連れてきてくれます。

精神科病院には面会室があり利用者と利用者家族だけの時間を大事にしてくれありがたく思います。

面会室で待っていると、「あんた、来てくれたんかいな」と筆者をみて祖母が号泣。

看護師さんが「この人(筆者)誰やった?」と聞くと、祖母が「ひのまちこさん」と自信をもって答えました。

筆者が「今日はひのまちこさんか、この間はたなかよしこさんやったな」とつっこむと病室に笑いがおきます。

筆者が週1回面会へ通い続け約1年、今ではすっかり見慣れた光景になりました。

認知症祖母と散歩
認知症祖母と散歩

夕食の30分程前、祖母に50代位のベテラン看護師さんがツムラの抑肝散を飲ませにきてくれました。

ツムラの抑肝散は、イライラしやすい人、怒りやすい人、興奮しやすい人などを抑える効果がある漢方で副作用が少なく子供から大人まで幅広く服用されています。

看護師さんは「はい、ちょっとごめんな、苦いけどな辛抱なー、えらいなー」と言いながら抑肝散を素早く祖母の口の中へ入れていきます。

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抑肝散を飲み終わらせたベテラン看護師さんは「ほんならお孫さん(奥村)にたくさんご飯食べさせてもらってなあ」と子供をあやすように言うと、祖母が「ありがとうございます」と笑いながら答えました。

私でも「苦い」、「飲みにくい」と思うツムラの抑拡散を笑顔で飲んでる祖母をみて今日は機嫌がよさそうなのである程度ご飯を食べてくれると期待をもちました。

「認知症祖母が夕食を突然食事拒否、その理由とは」

その後、祖母に「ご飯はちゃんと食べれてるか?」、「よく寝れてるか?」、「うんこは出てるか?」など聞きますが、何を話しているのか理解できません。

私の手で祖母に両足を下から上へ血行改善を目的にマッサージをして、「ばあちゃん足少しブラブラさせとき」と言うと、1分位足をブラブラさせるもののすぐ忘れてしまいます。

そうこうしているうちに30分位経過し食事が運ばれてきました。

今日のメニューはお粥お茶碗半分、プリン、お豆腐をつぶした食べ物。

祖母が比較的好きなお粥とプリンを何口か食べさせると、順調に口に入っていきました。

ところが、祖母が何口か食べたところで口を閉じました。

夕食開始早々、祖母がエプロンを口の上にもってきました、「ごちそうさま」の合図です。

私が「ばあちゃん、もうお腹いっぱいなん?」と聞くと、「いっぱい」とピシャリ。

お粥数口とプリン少々とあまり食べていなかったので、私が「ばあちゃん(祖母)、もうちょっと食べな、はいあーん」と口に入れようとすると大声で激怒したのです。

重度認知症祖母が食事拒否の瞬間 Youtubeチャンネル登録、高いいね大歓迎

ちょうど今から1年程前、祖母の在宅介護の限界を感じた1つに食べ方を忘れてきた失行状態になりました。

お箸・フォーク・ナイフの使い方、ペットボトルの飲料を飲まずかんだり・・・。

老健へ入所後、認知症の進行や老化でますます食事ができなくなり現在、食事全介助が必要です。

祖母が精神科病院へ入院し食事を拒んだのは何度かありますが、ここまで激しく抵抗したのは記憶にありません。

一般的に認知症の人が食事を拒否する原因に食べ物が否かを判断できない失認や飲食物が飲みこみにくくなる嚥下障害や体調が悪いなどがあげられます。

読者さんの間で「昼食を食べさせるか、食べさせるのは介護士さんや看護師さんプロに任せたらいいじゃない」と思う人がいるでしょう。

私がなぜ夕食前に面会へ行くかといえば、施設や病院(祖母の場合病院)でお世話になっている以上、家族がせめて夕食介助ぐらいサポートをするのが当然と思っているからです。

介護施設や夕方ごろになると職員さんの数が大幅に減り、職員さん3人に利用者さんを50人程度でみている施設がザラにあります。

前述した通り祖母のような重度の認知症患者に食事を提供するのはとても手間や時間がかかることが多く、1食に1時間程かかるケースも稀ではありません。

「介護士や介護経営者が指摘する食欲低下に病院特有の食事間隔や日光浴

祖母のように夕食だけ食事を拒否する傾向がある人を知る現場の介護士さんや介護経営者さんにお話を伺いました。

すると、ある介護士さんが「薬で満腹感があるのかもしれませんよ。病院は朝、昼、夜の食間が短く昼と夜の間におやつタイムがある施設が多く圧迫感があるのではないでしょうか。夕朝が12時間以上朝をよく食べる場合が多いです」

なるほどと思いました。

祖母は在宅介護の時、食後に抑拡散など漢方ではなく錠剤を服用していたのと夕食の時間は19時~19時30分位、現在の精神科病院の夕食時間が18時前で在宅より1時間早いのです。

祖母を在宅介護していた時の食欲を思い出すと日中、夜間問わず食欲が旺盛で夜中から早朝にかけて冷蔵庫の開け閉めを繰り返し、パンや果物を食べさせていました。

おそらく、介護施設や病院特有の食事間隔や食前の漢方の服用が夕食だけを拒否するのと関係性があるのかもしれません。

別の介護経営者さんからは「日光浴と夕食の食欲に関係性があるかもしれません。30分程度日光浴をした日とそうでない日を3ヶ月間比較しました。すると、日光浴をした日の方が食欲が上がり状態安定に効果があるとわかりました」。

日光浴と食欲増進に関係があるかもという意見は意外でしたが、3ヶ月間も介護施設でデータを取り続けられたそうで説得力があります。

さらに、介護経営者さんが私に「亡くなった利用者さんのあるご家族は、昔、畑仕事をし太陽と過ごす時間が長かったからかもと言われました」と教えてくれました。

介護経営者さんの話では、日光浴で食欲が増進する可能性がある認知症の人は以前、外で勤務経験が比較的長い傾向にあるようです。

介護施設や病院は人員や施設不足で日々の介護をこなすので精一杯という声も多く聞かれます。

実際その通りだと思いますし、筆者も祖母の在宅介護を6年平均週4日1人で経験したので介護現場の苦悩は理解しているつもりです。

その上で、夕食だけ拒否する認知症の人に朝食を多く夕食を少なくしたり、薬を漢方から錠剤に切り替えたり、1日30分日光浴を取り入れるなどできる事から一歩ずつ挑戦していただけると嬉しく思います。

介護施設や病院に挑戦していただくには、今以上に面会の回数を増やしたり、時間を長め利用者家族の協力が不可欠です。

-その他(取材等), 介護

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